旅の小話

【間一髪の経験】ヴェネツィアで謎の置物とブレスレットを売りつけられた話。

カイト

こんにちは、カイトです。

海外では、街中を歩いているだけで、結構な確率で声をかけられます。

そこから仲良くなることもある一方で、危険な目に遭うこともしばしば。

今回は僕がヴェネツィアに行った際に、謎の置物とブレスレットを売りつけられた話を書いていこうと思います。

先に結論、どういう人に気を付けるべきかを書いておきます。

結論

腕に怪しげなブレスレッドや数珠をつけた黒人に話しかけられたら、しっかりと断りましょう。

少しでも相手の話に乗ってしまうと、思うままにお金を払わされてしまいます。

ここからは、相手の策にまんまとハマってしまった僕が受けた、具体的な手口を紹介していきます。

サン・マルコ付近の海岸沿いを歩いていると、陽気な黒人に話しかけられる。

事件は、ヴェネツィアに滞在しているときの夕方に起こりました。

サン・マルコ広場を抜けた海岸沿いを歩いていたときのことです。

この橋の向かい側の路上で事件は起きました。

呑気に歩いていると、手首にジャラジャラと数珠のような付けた黒人のお兄さんに声をかけられました。

「へい、お兄ちゃん。元気かい?」

今まで訪れていた観光地では素敵な出会いに恵まれていた一方で、いまいち他人とのかかわりにかけていたヴェネツィアでの日々。

そんな中で、陽気なお兄ちゃんに声をかけられた僕は完全に無警戒に返事をしていました。

「こんにちは、元気ですよ!」

そこから軽くコミュニケーションが続きます。

「旅行で来たのかい?」

「そうなんですよー。」

……

「日本人だろ?中国人じゃないのはわかるぞ。」

……

たまにびっくりするくらい鋭い突っ込みをされることはありましたが、普通に楽しく会話をしていました。

会話の途中で黒い腕を突き出しながら、

「俺たちマイノリティーだよな。仲間だな。」

と話された時はさすがに返しに困りましたね。

カイト

アジア人と黒人ということで、仲間意識を芽生えさせたかったのでしょうか。

この人種的な半ば自虐的な突込みには苦笑いしかありませんでした……。

そんなことを話していると、その黒人はおもむろにカバンに手を突っ込み、怪しげなブレスレットを取り出しました

さすがに身構える。

「腕を出して~」

ブレスレット片手に、すごく自然な流れで言ってきました。

さすがに警戒した僕は断りましたが、その黒人の方は全く悪びれることなく、“金はとらないよ、友情の証だから”と言ってきます。

すごく怪しい言葉ですが、確かに話していて悪い人ではなさそうだったので結局ブレスレットを一つ、腕につけてもらいました。

そうするとすごくうれしそうにしながら、言います。

「これはずっと付けておけよ!アフリカの伝統的なブレスレットなんだ。これをつけているとグットラックが起こるぞ。」

そういいながらもう1個、ブレスレットもあげるよと言って2つ目も渡してきました。

ここでも、お金を全く要求するそぶりを見せず、完全に彼に対する警戒心が緩んでしまいました。

怪しげな置物が登場してくる。

そうこう話していると、その黒人の方が再びカバンに手を突っ込み、謎の置物を取り出します。

「大学生って言っていたよな。この置物も持っていけ。これがないとバッドラックが起こるぞ。」

「は、はあ。ありがとうございます。」

「大学は2年制か?4年制か?」

「4年制です。」

「そうか、じゃあ2つ持っていけ。」

そう言うと、僕の手の上に載っていたカメの置物に加えてゾウの置物も置きました。

右手には、ゾウとカメの置物が。左手首にはブレスレットが。

もう逃げられません。

「この置物はただではやれない。すごく強運を引き寄せるものだからな。」

「じゃあ、いらないです……」

「そういうわけにはいかないよ。金額は問わない。いくら払う。」

こうなったら仕方ありません、僕は4ユーロを提示します。

「いくら何でも少なすぎるぞ。大体みんな5ユーロは払っていたぞ。」

小銭れをしぶしぶ出して、4ユーロを彼に渡します。

彼は小銭れの中をのぞきこみながら、

「おいおい、そこに1ユーロ硬貨があるじゃないか。それもだ。」

仕方ないので、1ユーロ硬貨も追加して合計5ユーロ払いました。

 

「少ないなあ。」

「学生だからお金がそんなにないんだよ。これで勘弁してくれ。」

「しょうがないな。わかった、このゾウの置物は回収するぞ。」

そういって、僕の右手でにらみをきかせていたゾウの置物は回収され、そのまま別れました。

結局、僕の手元には、カメの置物とブレスレット2つが残りました。

まとめ。

カイト

こうやって客観的にこの出来事を文字に起こしていると、なぜこの言葉に乗ったのかが不思議でなりません。

自分の無警戒さには呆れてしまいます。

その後、注意しながらヴェネツィアの目抜き通りを歩いていると同じような身なりで、街ゆく観光客に声を掛けている黒人の人たちがたくさんいました。

自分の注意力が低かっただけで、こういった手口は横行していたんですね。

多少の損失をしてしまいましたが、むやみに人の話は聞かないという非常に自明な教訓を得られました。

ヴェネツィアに訪れる方は、充分に注意しましょう。

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